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11月, 2012の投稿を表示しています

戦略的思考という紋切型思考

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僕は戦略という表現が嫌いです。 最近、ことあるごとに戦略とか戦略的という言葉を見聞きします。 戦略とは、あるいは戦略的とはどの様な意味なのでしょうか。辞書によると「戦術より広範な作戦計画」とのこと。つまるところ計画です。しかし、最近の書籍や雑誌を読むに、戦略と言う表現は金科玉条のようにたてまつられ、「戦略的」=高等思考かのような紋切型な思考が広まっているように思えるのです。 つい先日、2日後をサービス開始に控えたチームに対し、 「 準備がなっていない。もっと包括的な視点から戦略を立てろ」 という指示が上司から飛びました。 僕にとってこの指示は「2日間という時間制約の中で最も効果が高い計画を立てる」事と理解しました。極めて近視眼的ではあります。しかし、2日後に戦争があり、その局地戦がどれだけ重要なのかは現時点で不明な場合、2日後の戦争をいかに負けずに済ますかが最も重要な議論となるはずです。 しかし、多くの上司はそれは戦術であり戦略では無いと言うのです。2日後の戦争が局地戦なのか雌雄を決する一戦なのかをMECEに分析し、その結果を踏まえて短・中・長期的な手を計画することが戦略だと言うのです。 ご説ごもっともですし、正しいです。MBAでもそう習いました。 しかし、2日前の段階でそうしたグランドデザインが無い以上、近視眼的に次戦を勝ちに行くこと、そのことこそが戦略なのだと思うのです。その段階で、戦略とは?戦略的思考とは?などと議論すること自体ナンセンスに思えるのです。 戦略というものは素晴らしく学問的であり論理的であり芸術的であるような、そういう一般的幻想が僕は嫌いなのです。勝てるのであれば、時にはとても非学問的であり感情的であるべきだと思うのです。 ビジネス・業界 ブログランキングへ

風邪をひいて思うこと

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風邪をひいて仕事をやすみました。多分、社会人にはいってから2回目くらいでしょうか。布団に入りながら思うのです。 「これがプロサッカー選手ならば、ファンやチームから絶対に許されないこと」 仕事において最高のパフォーマンスを発揮するために日々体調管理することがプロだと思います。 別に、体調管理の重要性を再確認していたわけではありません。そんなこと百も承知です。が、そんな百も承知のことがなぜ出来ないのだろうと思うわけです。 今の僕の場合、土日を楽しみにして平日働きます。つまり、オフを楽しむためにオンがある状態なのです。このため、オフに重点が行き、オンのための体調管理に意識が回らないのです。 一方、オンのためにオフがある状態はどうかと言うと、きっと「早く月曜日の朝来ないかな?」という状態なのだと思います。今の僕が「早く金曜日の夜来ないかな?」と思うのと同じように。 遠足を待ちわびる子供や、サッカー大好きな人が次の試合を待ちわびるようなそんな感じです。つい先日、プロサッカー選手でFCバルセロナからシャルケにレンタルされているイブラヒム・アフェライのコメントが記事に載っていました。 「バルセロナ復帰が僕の目標だ。練習からいつも楽しくて、家に帰ったら次の日が待ち遠しくて仕方ない。選手として向上していることを実感するね。アンドレス・イニエスタやシャビなどとよく話をする。彼らは世界トップレベルで、リオネル・メッシはベストの中のベストだよ」 アフェライにとってサッカーは最高の仕事であり、バルセロナは最高の職場なんだと思います。体調管理の重要性はわかっていても、それが出来ていない根底には僕のオンの内容への充実感があると思われるのです。 ビジネス・業界 ブログランキングへ

『ぼんくら』、『おまえさん』 宮部みゆき

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自分が勝手に分けているのですが、過去の時代を舞台にした小説には歴史小説と時代小説があります。前者は、司馬遼太郎さんに代表され、いわゆる「史実」に基づいている小説で、『坂の上の雲』や『三国志』などが当てはまります。後者は、池波正太郎さんの『剣客商売』や山田風太郎さんの『柳生忍法帖』などがあります。厳密な分け方では無いのですが、時代小説ジャンルでは、僕は宮部みゆきさんが一番好きです。 大半の時代小説は男性の剣豪が中心に描かれており、比較的勧善懲悪な流れが強い感じがします。その時代ならではの善と悪をその時代ならではの方法によって裁くといったストーリーで、読んでてスカっとします。 一方、宮部みゆきさんの時代小説は、人ならではの善と悪をその人ならではの方法によって裁くといったストーリーで、読んでてほっこりします。善と悪を決めるのも、それを裁くのも人それぞれで、そこには時代による隔絶は存在しません。 剣客商売における秋山小兵衛にも人っぽさはありますが、恋愛や義理や困窮や社会的な存在価値など人それぞれが抱える内面世界は、比較的のっぺりとしてます。それに対し、井筒平四郎は、剣技も推理もさっぱりですが、そうした人の内面をクルクルっとこねていく技に長けています。 今回読んだ『ぼんくら』『おまえさん』も良いですが、僕には『あかんべい』が一番ほっこりします。

『免疫力を高める眠り方』 大谷憲

嫁が買ってきたのでちょっと拝借して読んでみました。 タイトルと中身が少々合っていないと言うか、眠り方に関する本なのか免疫力の高め方に関する本なのか分かりにくい作りになっています。ただ、だからといって読者に特段の害はありません。 基本骨子としては 1.平熱を37度近くまであげることで免疫力を高める 2.夜10時から2時を含む、7時間半の睡眠を取ることで免疫力を高める という2つになるかと。 平熱のあげ方については、陽性・陰性、酸性・アルカリ性の食材をバランスよく取ることが重要のようです。 睡眠については、寝る前の準備(アロマや体温を温める事等)、朝日を浴びる事による体内時計のリセットなどが重要とのこと。 他の睡眠本や食事本と大差無い内容なので、立ち読みでも良いかと思います。ただ、大差無い内容だからこそ、きっと現時点においては標準的な理論が詰まっているのだと思います。本としては「この値段で?」とは思いますが、書いてある内容を実行できれば十分体に良さそうです。

『営業の魔法』 中村信仁

読んだ片っぱしから忘れていく&読んだ本はブックオフに売られていく→何を読んだか分からなくなる→バーチャルな本棚として書き始めたブログ、という流れだったのですがそんなオリジンはいつの間にか忘れさられ・・・ 今日はは『営業の魔法』。 タイトルは営業ですが、内容は仕事全般に利用できるもの。本書の素晴らしい所は、その読みやすさ。最高に読みやすいので立ち読みでも読み切れます。実は僕も立ち読みで読破したのですが、内容が中々良いので結局買いました。 この本は、営業を効率的にするというよりも、人とのコミュニケーションにおけるノウハウを教えてくれます。アポ取りやクロージングをどの様な表現で進めるべきか等、表現法や話法の基礎が詰め込まれています。 内容そのものはありふれているのですが、それを一気に読ませてしまう本の作りに素晴らしさがあるのです。いつの間にか吸い込まれる様に読んでしまう本。そんな書き方ができること自体が、トップセールスたるゆえんなのでしょう。 そしてもう一つ。仕事を好きになることの素晴らしさが、この本には詰まってます。もう一度読むリストに追加します。

カーシェア使ってみました

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先日『 カーシェア登録してみました 』で書きましたが、今日はカーシェアを初めて使ってみました。新しい事ばかりで、最初は結構ハードル高めです。 1.まずは携帯から予約 ウェブからも可能です。8:30から12:00(3.5時間)までスズキのスイフトを予約。とは言っても僕の最寄には、スイフト1台が唯一のチョイスです。予約金額は3,000円。 2.車を探す!が見つからない! ホームページでチェックした駐車場に徒歩で向かうこと10分。そこから駐車場の発見に5分、そして場内で車を見つけるのに5分以上かかってしまいました。オリックスのホームページにはざっくりとした駐車場の場所しか載ってないですし、駐車場を見つけても目的のスイフトは他の車に囲まれてひっそりとたたずむのみ。最初の1回はみなこういう目に会うと思います。 イターーー!駐車場のステッカーで発見 3.車発見!さて、ドアを開けよう・・・ん、鍵は? 僕が持っているのはICカード1枚で車のカギはもちろん持ってません。「はて、どうやって鍵をあけるのだ?」 ドアを見て見ると、こんなシールが。 『ICカードをタッチする前にドアハンドルのボタンを押す』 フロントガラスにも。 案内通りに進めると無事解錠!! 4.車内へ!意外と綺麗!・・・ん、でも鍵は? 最初はキーレススタートシステムかと思っていたんですが、エンジン始動は普通の鍵の模様。ただ、鍵がない・・・ 試行錯誤の中でサイドボードを開けると、普通の車には無い謎なボックスを発見! カーシェア用の車って、結構金かかってそう・・  貸出にひねるとキーが外れ、ついに鍵ゲット!! すると、カーナビの下にある液晶(これも普通の車にはありません)に、僕の氏名、予約時間、金額が表示されるじゃないですか。カッコいい! 5.エンジンスタート!あとは普通のクルマ ここは特段書くことがありません。フツーのクルマです。埼玉だからかNack5がチューンされているところが特徴ってところでしょうか。 6.予想より早く返却。え?早く返しても金は取られるの? 後で知ったのですが早く返しても、予約時点の料金が取られるようです。僕はてっきり半額くらい返って来ると思っていましたが、まさか全額吸い込まれるとは。 こんな特注液晶まで。

カーシェア登録してみました

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郊外に住んでるので車が欲しいなぁと思っていたのですが、コストパフォーマンスの悪さから諦めてました。そもそも、車よりもMacbookの方が欲しいし、車よりも都内に住んだ方が良いと思うし。 でも、Macbookも都内住居も手に入っていない現実を直視すると、やっぱり車を使いたい。郊外型スーパーに行きたいし、気軽に日帰り温泉に行きたいし、駅から遠いラーメン屋をめぐってみたい。 そこで『ORIX CarShare』に登録してみました。駐車場のTimesがやっているTimes Plusもあるのですが、最寄にあったのがオリックスだったのでオリックスに。 いくつかプランがあるのですが、月々2千円の基本料と15分あたり200円の従量料金が課されるプランAを申し込みました。今はキャンペーン中のため2千円の基本料が無料ですが、基本料は携帯の無料通話分のように無料時間料金として使えます。申し込みはネットで完了。4日後には会員証が届きました。 例えば100万円の中古車(フィット)を持つと毎月の費用で1万7千円くらい。 自動車購入費:1万円/月(100か月(8年と4カ月)で乗り倒すとして) 自動車取得税: 500円/月 自動車重量税:約1,500円/月 駐車場代:約1万円/月 自動車税:約3千円/月 自賠責:約1千円/月 カーシェアで毎月1万7千円を使おうとすると、約72時間/月といったところ。カーシェアの場合ガス代も利用料に含まれているので、ブレークイーブンは月80時間位でしょうか。約20時間/週以上使うと、マイカーの方がお得のようです。 もちろん 駐車場が遠い 使いたい時に使えない可能性がある(認知不足で僕以外の利用者はいなさそうですが) 車種 が選べない 車に愛着が湧かない などのデメリットもあります。 中でも1と2が大きな欠点でしょう。ただ、近場開拓をメインに使うならば、圧倒的なコストメリットがありそうです。 今度は使った時の感想を書いてみたいと思います。 ビジネス・業界 ブログランキングへ

新幹線のグリーン車の当たりと外れ

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今年に入り3回ほど新幹線のグリーンを使いました。1回は上越新幹線(東京-越後湯沢)、2回は東北新幹線(東京-盛岡・東京-新青森)。別に、僕はセレブでも何でもなく、ただ指定席が取れずにやむにやまれずといった理由です。 次はあるかわからないグリーン車、せっかくなので評価をしてみました。 1.上越新幹線 区間:東京~越後湯沢 料金:普通料金+2,000円  車両:2階建て車両 、新しい空気感あり 席数:2列×2 座席:電気式リクライニング+電気式フットレスト 飲物:なし 電気:不明 2.東北新幹線(旧型車両) 区間:東京~新青森 料金:普通料金+5,000円 車両:1階建て車両、新しい感は一切なし 席数:2列×2 座席:機械式リクライニング+前の座席に引っ付いたフットレスト 飲物:基本飲み放題※(コーヒー、紅茶、りんごジュース、オレンジジュース、お茶など) 電気:なし ※飲み物は乗務員が注文受けするため、必ずしも飲みたい時に飲めるわけではありません 東北新幹線 旧型車両 3.東北新幹線(新型車両) 区間:東京~盛岡 料金:普通料金+4,000円 車両:1階建て新型車両、新品感まるだし 席数:2列×2 座席:電気式リクライニング+電気式フットレスト 飲物:基本飲み放題※(コーヒー、紅茶、りんごジュース、オレンジジュース、お茶など) 電気:座席に1つづつ ※同上 結論:東北新幹線は新型車両か旧型車両かの差がでか過ぎる!特にコンセントの無いグリーン車なんて、パソコンを持ち歩く今どきのビジネスマンからすればあり得ないです。なんせ、新型車両であれば普通車窓側にすらコンセントはあるのですから。 追加情報:金曜日夕方に新青森からの上り新幹線に乗ると、新青森駅の時点で駅弁が売りきれています。新青森駅の駅弁スタンド自体が売り切れ。ただ、乗務員にお願いすると、運がよければ盛岡でゲットできます。ただし、「残り物」なので弁当の指定はできません。 ビジネス・業界 ブログランキングへ

読む価値なし!『人口18万の街がなぜ美食世界一になれたのか』:高城剛

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沢尻えりかさんと一緒にバルセロナに住んでいた高城剛さん。趣味が高じて本を出したようですが、これはいただけない。バルセロナから何回かサンセバスチャンに通ったのだろうが、それだけでこんな薄い本を書いてしまうとは。 買ったはいいのですが、読み切れないほど内容が薄い本。こんなネガティブな投稿書いても仕方ないのですが、お金の無駄でした。 アマゾンではなぜか評価が高い・・・評価最低なのは僕だけ? ただ、サンセバスチャンは食の街として最高ですから、ぜひ訪れてほしいです。狭い町の中に数多くのピンチョス屋。ピンチョスとは、スライスされたフランスパンの上に様々な食材が載せられた、スペイン版「ワンスプーン」ミール。他の街でも食べられますが、北スペインが一番お勧めです。サラゴサ、サンセバスチャン、ビルバオ、オビエドなどなど。太陽と海を求めて南に行くのもいいですが、食とワインを求めてスペイン北の旅も最高です。 ちなみに北スペインに行ったら、白ワインだけじゃなく シードラ も試してください。

上地君の三成がいいっす:『のぼうの城』

今週のレイトショーは『のぼうの城』。小説を立ち読みした時に「これは小説よりも映画が先なパターンだ」と思った映画です。前の投稿で『 小説が先か映画が先か・・・「天地明察」 』について書きましたが、天地明察の逆のパターンです。立ち読みレベルですが、『のぼうの城』小説版は少々いけてない。 歴史映画としては多少の無理が目につきますが、人間の生き方的なものを映す映画としては面白い映画でした。とにかく野村萬斎さんの演技が素晴らしい。見てる人たちをもどかしく感じさせるくらいの「のぼう」の頼りなさと、時折見せる心の強さが、見事に演技されています。 出色は上地雄輔さんの石田三成。あー、三成ってこんなやつだったのかも!と思わせる演技。てか「石田三成、かっこいいじゃない」って思っちゃいました(顔の事じゃないですよ)。 天地明察は小説、のぼうの城は映画、が正解のようです。まあ、毛色はだいぶ変わりますが、まずは『 ARGO 』を先に見てもらいたいですが。