出資の基礎知識:その4|リストへの初回コンタクト

出資やM&Aのプロセスにおいて、ロングリストやショートリストの企業との初回コンタクトは極めて重要なステップです。この記事では、効果的なコンタクト方法とその戦略について詳しく解説します。

コンタクト方法の選定

1. コールドコール/メール:
コールドコンタクトは効率が低いように感じるかもしれませんが、目的が明確であれば意外と有用です。「出資や協業の可能性を探っています」と明確に伝えることで、良い反応を得られます。

2. 個人人脈経由:
高い成功率が期待できますが、紹介者に負担をかけないように丁寧な対応が必要です。特に、意思決定者に近い幹部から誰かを紹介してもらう場合、相手が御社の真剣度を重く捉えすぎる可能性があります。

3. 第三者(ミドルマン)経由:
銀行、証券会社、M&A仲介会社、ベンチャーキャピタルなどからの紹介を受けます。効率的な接触が可能ですが、進行にあたってはミドルマンに対する費用や契約が伴います。

ミドルマンの選定基準

同じ会社に複数のミドルマンからコンタクトが行く可能性があります。ミドルマンは一斉に声をかけるのではなく、希望する分野に強い会社から徐々に広げることが重要です。

ミドルマンとの関係性の構築

ミドルマンに積極的に動いてもらうには、明確な戦略と具体的な要件(領域、金額規模、時間軸)を示す必要があります。曖昧な依頼では、御社の真剣さが疑われます。自分の人脈を紹介しても良いと思わせる、真剣さが必要です。

コンタクト内容の準備

どの方法でコンタクトを取るにせよ、以下の要素をしっかりと準備しておく必要があります。
  • 会社の事業内容
  • 出資や協業の意図
  • コンタクト窓口の情報

コンタクト時の確認内容の整理

特に複数人でコンタクトを取る場合、以下の情報は必ず確認するようチーム内でルール化します。

  • 相手の氏名、役職、部署
  • 相手の部署と出資意思決定との関係
  • 出資受入の可能性
  • 先方の事業内容(できれば定量的な情報)

また、技術やサービスを持っている場合には、特許情報や技術内容などもこの段階で確認することが有用です。

フォローアップ

初回コンタクトが成功した後は、効果的なフォローアップが不可欠です。以下にその具体的なステップと管理方法を示します。

1.即時の感謝のメール:
初回コンタクトが終わった直後に、参加者全員に感謝のメールを送る。これにより、良好な関係を維持します。

2.1週間後の進捗確認:
初回コンタクトから1週間後に、進捗や次のステップについての確認を行います。

フォローアップの管理方法

複数人でのフォローアップが必要な場合は、エクセルやCRM(Customer Relationship Management)システムを活用して情報を一元管理します。

コンタクト状況の管理

1週間に何件コンタクトするなどの目標を決めます。そのうえで、目標に対し進捗しているのか、改善点はないか、フォローアップが漏れていないか、などを管理します。

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