MBA授業:MBAに必要な英語力

MBAに必要な英語力はどれ位?という質問をよく受験者の方から聞きますし、私も入学前は英語力が最大の懸念材料でした。そして、今でも懸念材料です(笑)。

私は海外は旅行でしか滞在したことが無かったため、受験英語が全てでした。英文はそこそこ読めても、聞き取り、しゃべりはヤバいものがありました。そのため、TOEFLは半年間必死に勉強しました。結果、点数は108点まで上がり、入学前に受けたTOEICは満点でした。この状態で昨年9月に入学しました。

入学直後の英語に関する感想は以下の通りです。
  • ケース予習については特に問題ない。しかし、授業中に追加資料が配布された場合は、読むのに時間がかかってしまい、その後の議論に出遅れる。
  • 授業は教える内容や方向性が推測できるため理解可能。
  • 上記の理由から、授業で発言することも羞恥心さえ捨てれば可能。但し、短い文章でしか発言できないため、言いたいことの5割未満程度しか説明できず。
  • 授業で白熱したディスカッションになると、 頭で英文を組み立てる癖と「ちゃんと聞き取れてないから(聞き取れて無い気がするから)、下手な発言をしたら議論の腰を折るのではないか」という不安から、参加できず議論の傍観者となる。
  • チームミーティングは、各自好きなことを言うことが多く、議論の方向性が読めないため聞き取りに苦労。ちなみに、チームは人数が少なく傍観者になるわけにもいかないため、聞き取り&発言のプレシャーは授業の2倍。
  • クラブやバーで、爆音で流れる音楽の下でネイティブの会話に参加した時には、ほぼ聞き取れず、ただただ笑うしかない。


「英語は、羞恥心を捨て体全体を使って話せば何とか伝わる。問題は中身。」という方も居ますし、一部は正しいと思います。学校は失敗を重ねるための様な所ですので羞恥心は早めに捨てたほうが得です。しかし、問題は「問題は中身」という点です。大変素晴らしい中身であっても、その中身を相手に伝えられなければ、相手からすれば普通の中身になってしまいます。また、ネイティブなら3分ですむ内容を、体全体をつかって10分かけて説明したとします。初めはみな親切に聞いてくれますが、インターン探しや、プロジェクトなどで忙しくなってくると、そこまで親身になってはくれません。

従って、語学が得意でない方にとって要点を簡潔に話すというはとても重要です。 より具体的には、最初に結論を話した後に理由を単語レベルで羅列するという方法です。TOEFLのライティングで使うテンプレートに近く、「私はA社は新商品に投資すべきと考えます。なぜなら、(既存商品とのクロスマーケティングにより)利益率の改善が可能だからです」といった表現です。英語がまったく、と言う人は思い切ってカッコ内を削除してもいいかと思います。ケースを予習する際、私は箇条書きで主張をまとめておきました。とにかく、自分の意見を明確にすることが重要です。立場が明確であれば、議論の中で話が振られる機会も増えますし、チームやクラス内で「あいつは英語が下手だが、必ず自分の意見をもってくる」という信頼が生まれます。

しかし、このレベルでは授業から100%の内容を学ぶことはできません。というのも、とっさに意見を求められた際に、どうしてもまごついてしまい、主張が明確に伝わらないことが多くなるためです。また、相手の高速トークを聞き取ることも困難です。そこで、1学期は自分の主張を用いて、頭の中で一人芝居をしてました。 「この意見を言ったら、こう突っ込まれるかな。それにはこの理由を言えばいいかな。いや、こう来るかもな。」といった質疑応答です。これも、やはり短い文章で組み立てました(というよりも、そうしか出来なかったというのが正直なところです)。このトレーニングのせいか、2学期以降は、比較的楽に応答できるようになりました。しかし、このトレーニング、頭の中で会話するため夢の中にまでケースディスカッションが出てくるのです。そうすると寝ても寝た気になりません。私の日本人の友人は、寝ながら手を挙げていたところを嫁さんに見られたそうです。聞き取りについては、チームの友人とランチや休み時間などで積極的に会話をすることで磨きました。こうした努力のおかげか、最終的にクラス内で上位の成績をとることができました。

英語力がある程度(TOEFL 100点以上)あれば、海外MBAを生き抜くことは可能ですし学ぶことも多いでしょう。またプレッシャーから入学後の成長も見込めますので、「自分は英語力が無いから海外MBAなんて無理だよ」とあきらめないでください。私の例が良いかどうかは解りませんが、工夫と努力を重ねれば、大いに学べます。

一方、「TOEFLは100点超えたから、入学まではちょっと一休み」「自分は修羅場をくぐってきたし、色々と成功を残してきた。英語が話せなくても中身で勝負できる」といって英語の研鑚を怠るのはもったいない話です。好き嫌いに関わらず、現時点において英語が世界の共通語であるのは事実です。良い中身を伝えるためには、相手に良い中身であることを分からせるだけの語学力が必要です。英語力はあるに越したことはありません。あればあるだけ授業から得られるものが増えますし、友人が増えるスピードも速いです。書籍やDVDやポッドキャストなど、使えるものを使い切って英語力を伸ばしてください。 って、人の心配してる場合じゃないですね。頑張ります。。


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