『地球の歩き方』は生き残れるか?

今エジプトのルクソールに滞在しています。滞在先はブーメランホテル(Boomerang Hotel)という所。このホテルは『地球の歩き方』で紹介されており、紹介ページには旅行者からの「本当にキレイなのでオススメです」というコメントまで付されています。

そんなクチコミを信じてホテルを取ったのですが、かなりイマイチです。ホテルの値段は『地球の歩き方』の倍近く(€20)、インターネット・朝食は有料、部屋はこぎれいだがかなり狭い、朝6時にツアー勧誘で叩き起こされる、申し込んだツアーが申し込まれてない等々、エジプト滞在10日程ですが、今のところ最低ランクに入ります。

と、ホテルの愚痴はこれ位にして、話題はクチコミの効果です。今回僕は書籍とクチコミを信じて失敗しました。バックパッカーはドミトリー仲間同士で宿情報を交換し、次の土地に向かいます。しかし、これまで一般旅行者は『地球の歩き方』や『Lonley Planet』を信じるか、旅行代理店を信じるかの2つしかチョイスがありませんでした。しかし、Booking.comなどホテル手配がオンライン化してくると、一般旅行者の間でも宿情報の交換が始まります。これが巷を騒がせているソーシャル・ネットワーク化と呼ばれるヤツです。

しかし、ドミトリーでの会話と異なり、オンラインでのホテルに関する口コミはどこまで参考にしていいのか判断が難しいのです。というのも家電やパソコンと違いホテルやレストランは無形サービス部分が大半を占めるため、クチコミ提供者の価値観によって評価が大きく変わるからです。18歳バックパッカーの情報と50歳夫婦旅行者では意見が異なりますし、一番参考にならないのが外国人の意見です。また、オランダで信頼できるクチコミ提供者を見つけたとしても、その人がエジプトを訪れているとは限りません。

従って、いかに良質かつ大量のクチコミを集めるかがオンライン代理店の狙いになっています。Booking.comも、クチコミを年齢・属性でソート出来るようになりましたが、まだまだ日本人の評価が足りません。

世界各地に日本人旅行者はいます。最近は中国人が増えましたが、それでも日本人の数はかなり多い方でしょう。大量の旅行者に上手い動機付けをしクチコミを集める事ができれば、1つの巨大なビジネスになるでしょう。こうしたプラットフォームは「日本人全体に良いサービスを提供する」というホテルへの良いプレッシャーにも繋がります。特段目新しく無いサービスですが、いまだ良いサービスは見当たりません。

地球の歩き方はそのチャンスに一番近い位置に居ると思うのですが、『旅スケ』はまだまだな感がします。旅行者はガイドブックを持ち歩くという概念に縛られているようですが、ケータイ文化が進んでくると近い内に全てがオンライン化するでしょう。Wikipedia+iAppで観光地情報を調べ、Booking.comでホテルを取り、tripadvisorでレストランを検索するという世界です。なにせケータイにはGPSがあります。そんな世界で、書籍販売収入に依存しきった『地球の歩き方』が生存していられるかは疑問です。


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