アップルは世界を変え続けるか

最初に触ったパソコンがマッキントッシュという運命からか、最近はマックに回帰しようか悩む日が続きます。学割が効く間にOS X Lionが出たら、この気持ちは抑えきれないものになりそうです。

一方、IT Mediaの林氏が唱えるようにAppleが世界を変え続けるかどうかは疑問です。僕が勝手に抱く理論ですが、「利用者が増えてくると会社は保守的になり、引き算を怖がり、足し算に集中する」というものです。まったく自分勝手な理論ですが、結構自信はあります。

利用者が増えてくると自ずと会社の規模も大きくなります。そして、iPhone担当とかiApp推進部(勝手に僕が今作りました)などが会社に出来上がります。仕事も、気ごころ知れたチーム内でやる形式から、時と場合に応じて部署をまたいでやる仕事に代わります。こうなると、必然「おらが村」意識が生まれます。

(ここからは完全にフィクションです)
例えば「おらが村」の特産物がiTunesだとします。そこに隣村の村長がやってきて、「オラの村のApple TVの集金もお宅の村でやってくれねぇか」と言う訳です。一方、オラがiTunesは他の特産物の集金に忙しく、変にいじると他の特産物にまで影響を及ぼします。しかも、AppleTVの集金には、他の産品と異なる集金機能が必要になるとのこと。オラが村の村長は頭を悩ませます。隣村(Apple TV)の面子もあるし、かといって他の特産品を断るわけにもいかないし。

こうすると起こるのが、次の2つ。
(1)Apple TVの機能をiTunesに合わせてもらうか
(2)Apple TVの機能はそのままでiTunesに追加機能を乗っけるか

もし、iTunesにシガラミがなければ、
(3)他の特産物を無視し、iTunesとApple TVのベストフィットを探る

という選択肢も残ります。しかし(3)は既得権益をもつ保守派から大反対をうけるでしょう。

より抽象的に言えば、(1)サービスを既存システムに迎合させるか、(2)既存システムに機能を追加するか、の2種で、(3)サービス品質を保つために既存システムの機能を抜本的に変える、という選択肢は取りにくいということです。

枝のために幹は変えられないという論理です。しかし、今の幹も昔は枝だったわけなのです。こうした中道的なやり方は、会社の斬新さを失わせていきます。新しいサービスは過去のサービスの上に成り立っていて、決して過去のサービスからは決別できないのです。

こうした弊害を取り除く1つの方法は、絶大的な力を持つ支配者が自分の信念のもと、村と村のいざこざを一刀両断してしまうことです。しかし、優秀な支配者も永遠ではありません。信念を持っていない支配者が現れたり、各村長の発言権が大きくなったりすると「じゃァ、穏便に事を済ますため今回も機能追加で」といって無限に機能を追加していきます。もちろんコストも増えて行きます。

僕にとってアップルの素晴らしさとは、無駄な機能を排除して、必要な機能に特化できる能力だと思っています。スティーブ・ジョブス氏が会社を離れた後、アップル国内の村を治められるのは誰でしょうか。ジョブス氏が後継者育成に真剣であれば当面安泰かと思いますが、そうでなければ5年~10年のうちにMac Vistaが生まれてしまうでしょう。

そんな事を考えつつも、やっぱりMac Book Proが欲しい僕。矛盾してますかね。


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