日本の国際的地位

スタンダード&プアーズが日本国債の格付けをAAからAA-(マイナス)に格下げしました。そりゃGDPの2倍の負債もあれば、格下げされて当たり前な気もします。

これまで日本国債のほとんどが日本国内の投資家によって購入されており、海外投資家の保有高が低い状況です。従って、日本政府の資金調達能力に対する影響は少ないと評価する意見が多いようです。

しかし僕にはこの論理が良く解りません。(1)海外投資家の保有比率が低いため、まだ海外投資家に売れる可能性がある、と言いたいのか、(2)格下げされても日本で国債は消費できるから問題ないよ、と言いたいのか、それとも他に理由があるのか。

しかし、僕は日本で営業する銀行や証券会社などが色んなシガラミから国債を買い続けてきて、更には最近「個人向け国債」と銘打って「国は潰れませんよー」って個人に売りつけて来ただけじゃないかと思うのです。日本国内での需要が高すぎて、海外投資家にまで国債が行きわたらないというよりも、シガラミの無い海外投資家にはさほど魅力が無いのでは?と勘繰ってしまうのです。

また、「国は潰れませんよー」って聞いてきた人たちが、ギリシャやアイスランドの破綻を目の前にして、国債を無限に買い続けるでしょうか。また、国の沈下と共にシガラミ自体の魅力が減る中で、機関投資家が買い続けるとは思えません。長期金利が上がっていない事から、マーケットは当面問題なし!と見ているようですが、僕には疑問です。

それ以上にショックなのは、ニュースで大して騒がれていない事です。Financial Timesはさすがに取り上げてますが、一面ではありません。最近の一面はエジプト情勢であり、普段はアメリカ、EU諸国、中国、インドの4地域のうち1つです。正直、日本は過去の国とでも言わんばかりの扱いになりつつあります。「日本国債の格下げが、記事にするほど新鮮な情報では無い」という反論もあると思いますが、このトピックに関わらず記事数自体が少ないです。MBAでのケースも最近はアジアと言えば中国・インドのケースばかりですし、Economicsの授業でのトピックはやはり中国・インド。インドや中国にだけフォーカスした授業もあります。

京都や寿司などといった文化面で日本は高い関心の対象ではありますが、経済・政治面におけるヨーロッパでの地位は、みなさんの想像以上に低いものと言えます。
一面はエジプト。やっぱり中東情勢は記事になりますね。
日本国債格下げは本紙2面と別紙裏面の3分の1。KANさんがボコボコにされてます。


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