MBA授業:アントレプレナーシップ

今学期は起業(アントレプレナーシップ)をメインに据えてカリキュラムを組みました。時間的プレッシャーはさほど変わりませんが、義務や制約は少ないため仕事をしている時よりも広い視野で物事を見れるのが学生の良い所です。そこで、1年生のアントレ授業の時以来温めていたアイデアを事業化検討する学期としたのです。

MBAを考えるまでは、アントレなど本当に勉強して学べるのだろうかという疑問を持っていました。今でも多少の疑問はありますが、MBAだからこそ学べる幾つかの事があります。

1)他の学生との相乗効果による起業への心理的抵抗の減少
同級生は優秀な人ばかりですが、身近な友人が起業を目指している姿を見ると、「自分でも?」という気持ちになります。環境が人を作ると言えるかもしれません。

2)起業家や投資家との接触による起業への心理的抵抗の減少
以前は、起業家と聞くと、ホリエモンや孫正義さんのような派手な人たちを思い浮かべていましたが、 実際は色々な人がいます。コツコツ積み上げてきた地味な(に見える)人も多いですし、保守的な人だっていました。「起業家は生まれつき起業家」という意見から「誰だって起業家になれる」という気持ちになります。

3)数多くの起業事例を学ぶことによる起業に必須不可欠な要素の学習
自分の貯蓄が0で起業する、プランも無くとりあえずやってみる、第3者の意見を一切聞かずに事業化する、など「やってはならないこと」を学ぶことができます。「こうすれば成功する」というのは未知ですが、「これはマズイよ」っていう内容を体系的に学べます。

4)教授や起業家からの生きたアドバイスの獲得(アイデアは万人受けする必要は無い)
今日、ある事業のビジネスプランをケースに事業化すべきか否かについて学生間でディスカッションを行いました。私を含め学生の9割が事業化に反対しました。というよりも賛成は70名中1名のみ。ディスカッション後、教授が解説を始めます。教授によると、議論した事業は現在大成功を収めており、150名の正社員を抱え、世界主要地区にオフィスを持っているとのこと。9割9分の学生が反対した事業が大成功。アイデアが尖るほど、意見を聞く人の人選には注意する必要があるようです。その点、MBAには専門家が多くいますので意見を聞きやすいですし、意見を出す側もそれが仕事なので親身になってくれます。

そんな経験から思うのが、アントレで有名な大学に行くメリットとしては、3)以外の点じゃないでしょうか。アントレで有名な大学であれば、起業家になりたい学生が集まるでしょうし、そのブランドバリューから数多くの起業家と触れあえるでしょう。また、自分のアイデアを相談する人の人選も増えます(教授や先人起業家)。

僕のアイデアが花開くかどうかは、今後のお楽しみということにしておいてください。 


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