野球連盟にもの申す!

東北関東大震災のニュースを見ていたら何だかブログを更新する気になれず、気づいたら1週間。忘れちゃいけないけど、ニュース見てても何も変わらないのでブログを書くことに。まぁといっても震災がらみなのですが。

セ・リーグの試合催行に関する決定、その後のやり取りを見て正直憤ってます。というか正常な頭脳を持っているのか、連盟に対して大きな疑問を抱いています。

3月25日開幕に踏み切る前の状況はこんな感じです。
  • 楽天に甚大な被害を受けたパ・リーグは開幕延期をセ・リーグに要請
  • 選手会は電力不足、福島原発を理由に開幕延期を要請
  • 関東は電力不足から計画停電を実施
  • 電力不足から一部交通機関は本数を減らして運行
  • 政府は不要不急の外出を控えるよう国民に依頼
これだけ条件がそろいながらもセ・リーグは3月25日開幕に踏み切りました。しかもナイターでの実施を視野に入れてです。

巨人の清武代表は「野球人がやれるのは野球しかない。野球を通して利益を上げて、社会に還元し、被災地に届けることも可能。自粛するより行動することを選びます」と説明しました。しかし、僕は嘘だと思います。

売上面での貢献ですが、計画停電の影響でテレビ視聴の機会が限られていること、及び近年の野球離れを考えると放映権・広告からの収益が大きいとは思えません。また交通機関の運休等からスタジアムまでの足が確保しにくい状況からも、チケット販売収入が通常時よりも増加するとは思えません。

一方コストですが、計画停電中のなかナイターを催行することによる経済損失が機会費用として考えられます。日経新聞によるとナイターを実施すると、1試合あたり35000kW~45000kWの電力を使用するとのこと。一方、西武電鉄によると2007年度は3億7千万kWの電力で1億8千Kmの車両走行距離を稼いだそうです。つまり、1kmの走行距離あたり2.1kWの電力を使用した計算です。この計算によるとナイター1試合は、15両編成の電車にして1,300kmの移動距離に該当します。

現在運行が減らされている横須賀線を例にとると、久里浜-東京間が約74kmですので、1,300kmは約9往復にあたります。片道あたり述べ乗客数1,500名(1両あたり100名)、1名あたりの運賃を450円と仮定すると、9往復では約1,200万円の収入になります。野球のチケット代金を平均3,000円とすると約4,000名の観客数に当たります。

こうした事実を踏まえて、本当に「 野球を通して利益を上げて、社会に還元し、被災地に届けることも可能」と言えるでしょうか。

更に経営力を疑うのが、文部省指示後の対応です。セ・リーグが3月25日開幕を決定後、文部科学省は予想通りナイター自粛をセ・リーグに依頼しました。それを受けて、セ・リーグのコメント:「本日の文部科学副大臣の協力要請を受け、文部科学省と協議して速やかに対応を決定します」。

こんな子供でも予想できる外部の反応が分からなかったのでしょうか? 通常であれば、将来を予想した上で開幕時期を決めるはずです。そうであれば、文部科学省にこうした要請を受けても、返答が準備されていて当たり前です。しかし、どうもセ・リーグにとっては文部科学省の対応は予想外だったようです。

僕が推測するに、古い頭の人が会議の中で「戦後復興の時に国民を励ましたのは、大鵬と巨人だ!だから、今回も巨人が日本を救うんだ!!」とでも叫んだのでしょう。意気込みは良いと思いますが、もう少し知恵を使って欲しいものです。正直、野球連盟にはうんざりです。

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