航空機業界の将来を大胆予想

先日スイスエアーに乗った際、機内誌をボーっと眺めていたらニューエネルギーに関する面白い記事がありました。

スイスエアーは親会社であるルフトハンザと共に、ジェット燃料に代わる代替エネルギーを検討しているとのこと。機内誌によると、航空機業界が使う石油原油量は全体の2%だとのこと。業界と言うのは、飛行機が飛ぶときに使う燃料だけでなく、製造や運送などに使う燃料もカウントしているからです。

ちなみに、ジェット燃料はいわゆる自動車用ガソリンではなく軽揮発油、重揮発油、灯油などを混ぜた特殊燃料のようです。

さらにちなみに、ガソリンと灯油と揮発油の違いはというと、、、、調べましたがスッキリしない上、書くの大変なのでWikiで調べてください。

さて本題に戻ります。石油枯渇の時期には2030年や2050年などの異論がありますが、枯渇するという意見は多数派を占めているようです。 こうなると飛行機は大問題です。自動車業界はハイブリッドや電気自動車、水素自動車などをすでに実用化していますし、発電についてもソーラー、潮汐、風力などがすでに実用化されています。まだまだ効率の点で石油に劣りますが、とりあえず代替燃料が見えてきています。しかし飛行機では、未だに代替燃料を聞いたことがありません。

スイスエアー曰く、様々な代替燃料を試しているようですが、未だビジネスとして成り立つ状況ではないとのこと。そんな話を聞いて、航空機業界の行く末を妄想してみました。

1)燃料高騰による合併の加速
燃料価格の高騰への対策は、代替燃料への移行、他のコスト削減もしくは顧客への価格移転が考えられます。代替燃料が見えない以上、コストか市場価格をいじるしかありません。固定費の大きい航空機業界では規模の経済が存在します。こうした場合、規模の追求によるコスト削減がもっとも「ありえそうな」回答でしょう。航空機自体はリースだから固定費は小さいとおっしゃる方もいるかと思いますが、2012年からの会計基準変更で会計的側面においても固定費は膨らみます。大韓航空とアシアナを抱える韓国、イベリア航空、スパンエアー及び格安航空会社を抱えるスペインなどは、業界再編の対象になりそうです。

2)ボーイング、エアバスに代わる航空機製造会社の台頭
これは政治的な壁がありますが、あってしかるべきかと思います。1回でなるべく多くの人を運ぶ巨艦を製造し、特定の会社に売り込んでいたボーイング、エアバスですが、今後は顧客と顧客ニーズの変化に対応する必要があります。顧客と顧客ニーズの変化とは、格安航空会社とそのニーズです。彼らはファーストやビジネスクラスなど必要としませんし、巨艦よりも近距離輸送に有利な中型機を好みます。さらにスタッフの教育費がかさむ新技術よりも既存技術を好みますし、政治に囚われない傾向があります。こうした顧客が機体の最大購入者となってくると、ボーイング、エアバスはそのビジネスモデルを変える必要性に追われます。しかし、一度作り上げた巨艦主義を変えるのは大変でしょう。今こそ、小型車で世界を席巻した日本の時代ではないでしょうか?

3)船の再評価
なんだか時代遅れになっている感がある船ですが、船なら重量の重い電池系の燃料を積むことができます。水上翼船+水素電池で水上ジェットなどはどうでしょうか?船酔いが激しそうですが。。。

4)製造拠点の大陸移動(あ、これは航空業界の将来じゃないですね)
島国の日本にとって、航空機業界の行く末は国の経済に大きな影響をあたえるでしょう。もし燃料価格が顧客価格へ移転されると、半導体等の精密機器製造工場は巨大市場を抱える国(北米、欧州、中国)へ移動するかも知れません。この問題は台湾にもあてはまりそうです。

僕としては、早くボーイング、エアバスの2大巨頭時代が終わって欲しいと願っています。この2者が市場を独占するがために技術開発が遅れているのではないかと穿った見方をしているのです。日本にとって喫緊の課題である「燃料問題」。海外会社ではなく、ぜひとも三菱重工さんに頑張って欲しいものです。


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