「部下が無能だから」と言う無能な上司

部下を信じることが出来ないリーダーに率いられるチームは腐る。机上の空論ではなく、実体験に基づく確信です。

人にはそれぞれの仕事のやり方があります。
  • 最初に良く考えてから動き出すタイプ
  • 軋轢を避けず突破を図るタイプ
  • メンバーの合意を重視するタイプ
  • 外部パートナーの意見を重視するタイプ、、など、
自分にとって心地いい進め方があります。仕事上の個性とも言えます。

部下不信の上司は、自分と異なるやり方を見ていると、「見ていられない」とばかり、こまごまと指示を出し始めます。行動型の上司は熟慮型の部下を見ているとイライラし始め、最終的に部下から仕事を奪い取ります。理論派の上司は、感覚派の部下の論理不足に目くじらを立て、自分の論理を押しつけます。

部下不信の上司を持つ部下は、最初は個性を見せますが、叩かれるうちに自分の個性を殺し、上司に合わせ始めます。こうしてチームから個性が失われます。また、部下は仕事に楽しさを見いだせず、必然受身の姿勢を取り始めます。例え上司が意見を求めても、迎合するか、「どうせ聞いてもらえない」と無言を決め込みます。中にはプロジェクトをわざと失敗させ、上司の無能を証明しようとすらします。

こうした上司はえてして、部下の無能を信頼不足の理由とします。同時に、部下の受身な姿勢を痛罵し、更なる指示・命令へと突き進みます。そして、かかる上司はこうのたまいます。

「俺がいなければ成功しなかった」
「俺があれだけ指示してやったのに」
「部下がこれじゃどうしようもない」
「結局俺がやらなきゃ進まない」
「やりたいことを言わないお前らが悪い」

成果は自分に、失敗は部下に。ここまで来ると、大半の部下はモチベーションを失い、異動を待ちわびて日々を無為に過ごすか、退職します。

自分とやり方が違う部下の行動に対し、どんなにハラハラしてもジッと我慢して、部下に任せる。この忍耐ができるかどうか。

「汝の欲するものを、まず与えよ」

チームを生かすも殺すもリーダー次第。部下次第ではないのです。


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