売ってこい!という指示

よく職場で上司が「とにかく売り上げを立てろ!売上が立たないのは営業の怠慢だ!売ってこい!」と言いうシーンを見受けます。僕にとってこの言葉ほど無責任な指示は無いと思っています。

この指示がどれだけナンセンスかサッカーの監督で例えてみましょう。

上司にとって、売上未達→営業努力不足であり、営業努力とは訪問件数の不足と営業スキルの不足を意味します。これはフォワードにとってはシュート本数の不足とシュートスキルの未熟さを意味します。

つまり、上の上司の命令は、監督が、点の取れないフォワードに対しこういうのと同じことです。
「もっとシュートを打って、精度を上げろ!」
一瞬まともに聞こえるこの発言。でも言われたフォワードからすれば「やってるよ!」なのです。

本来、監督が指示すべき内容は、以下のようなものだと思います。
「ワントップである以上シュートのシーンが限定されるのは仕方ない。むしろ君には相手DFラインを低くさせるため、ラインぎりぎりから飛び出すことに集中してほしい。さらに君は右からの突破が多いから、左足のショートレンジのシュート精度を上げてほしい」
営業に翻訳すれば、こんな感じでしょうか。
「商品が消耗品で無い以上、販売回数が限定されるのは仕方ない。むしろ君には買換えのシーンにおいて競合他社が入り込まない様、つねにお得意様の予算や動向に集中して週1回の訪問を心がけてほしい。そして君はシステムサイドからの営業が多いから、経営に関する最近のトピックを1つ学んでほしい」
この世に、無得点で平気なフォワードはいません。どのフォワードだって点を取りたいのです。でも取り方が解らないのです。売れないでいることが楽しい人なんていないんです。売れないで上司にドヤされることを喜ぶ部下なんて見たことがありません。ただ、どうしたら売れるのかが解らないのです。

そこをガイドするのが監督や上司の仕事です。 必ずしも監督は元選手である必要はありません。同様に上司は元部下でなくたっていいんです。ヒラから上司になれる企業体系に問題があるのかもしれません。


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