都議会選の投票率から思う日本の課題

石原伸晃議員がFacebookで『明日の東京を決めるとともに、明日の日本の運命を左右する』と記した東京都議会選。結果は自民党圧勝で終わりました。

選挙対策事務所を映すテレビは、いつも通り「万歳三唱」をフォーカスし、当選議員の方は熱もさめやらぬ面持ちで有権者の方々に感謝を述べています。

しかし、今回の投票率って43.5%しかないのです。

更にこの数字を深堀してみると、日本の政治システムが内包する課題が見えてきます。

前回2009年の都議会選は投票率54.5%。この時の世代別投票率から今回の世代別投票率を推察すると以下の表の通りとなります。



④の投票者構成比を見ると50代以上の投票のみで全投票の過半数を超えます。もちろん、23区内と区外では人口比率が異なるでしょうが、ざっくり20代から40代の影響度は限定的と言えます。一方20代から40代の人口は有権者人口の過半数を超えます。

つまり、過半数を占めるのは20代から40代だが、投票結果は50代以上に支配されつつあるということです。さらに、子供が独り立ちする前の親の代というのは、平均的には40代後半かと思います。従って、育児の為の意見というものも数の論理からは反映されにくくなっております。

近年、若年層の投票行動を促進する為にさまざまなPRが行われています。しかし結果はこの通り。これを投票しない若者のせいに済ませては行けないと思います。選挙制度とは国の行方を決める上で、極めて重要な基礎的仕組みだと思うのです。投票しない根源的な問題があるから投票しないのであって、意識が低いとか、そういう精神的なものではないと思うのです。

愚見ではありますが、私なりの思いつく解決策を考えてみました。

投票したい候補者がいないという課題については、世代別選挙制を提案します。有権者数の人口比率に応じて議席数枠を決定し、立候補者は投票前にターゲットとする世代を明確にします。そして、その世代内の得票率で当選がきまります。選挙公約を曖昧にして幅広い世代にうけようとする意見不在の議員は陰を薄くし、世代ごとに変化するニーズを拾える議員の存在感が高まります。そして、投票率が低くとも枠が確定しているのであれば、あえてソコを狙う議員も出るでしょう。こうしてターゲティングを鮮明にさせることで、エッジの効いた立候補者を醸成するのが目的です。

一方、投票しにくいという課題には、インターネットや携帯の早期活用を提案します。ここまでインターネットや携帯電話が進化していながら、それをいっさい使わないことに疑問を感じますし、その議論が遅々として進まないことに大いなる不信を抱きます。インターネットが抱える問題もありますが、若年層投票の無意味化はその問題を超えるだけの大きな問題だと思うのです。

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