東京オリンピック開催がどうも嬉しくない

2020年のオリンピック開催地が東京に確定しました。福島原発汚染水への質問に対し首相が見事に答えたことが評価されたみたいです。確かに安倍首相の回答は、原稿があったとはいえ素晴らしいものでした。

9月8日朝9時現在、テレビはオリンピック開催でもちきりです。ただ、僕はどうも嬉しくありません。むしろ、周囲の騒ぎを見れば見るほど、東京開催に嫌悪感をいだきます。

少々あまのじゃくな所もあるので、それが原因の1つです。昔から文化祭実行員会とか、参加せずに第三者的に見てましたし。

でも、もう少し理由があるのです。

1つは将来を食い潰しながら「子供のために!」と言うオジサン達への嫌悪です。

日本の現在の負債総額は約1,100兆円と言われています。政府純債務としては600兆円程度。これからも国債を大量に発行し、確実に負債は増えるでしょう。2012年までの過去7年間で、政府純債務は200兆円増えており、同じレベルで増加すれば2020年には純債務は800兆円に上ります。

日本の経済破綻については議論が多数ありますが、今の借金が未来世代の犠牲の上に成り立っていることは確かです。

収入を上回る消費をしたいから借金をします。そして、借金はいつかは返さなければなりません。あるいは返さないとしても、借りる事が徐々に難しくなります。

インフラなどの設備投資は将来世代にも便益をもたらしますが、キャッシュ(現金)は今動きます。会計上や論理上の利益ではなく、問題はキャッシュの動きです。

今の年金をどうにかするため、今のインフラをどうにかするため、今のオジサン達はキャッシュを使いまくります。そして、そのキャッシュを「受注」した一部企業のオジサン達が、銀座で美味しいお酒を女の子と一緒に飲みます。

でも、その酒代は誰が払っているのでしょうか。未来の日本人、今の子供が払っているのです。高度経済成長で既に十分な資産をもつ団塊世代の酒代を、将来が見えない今の子供達が払っているのです。

オリンピックも同じです。2020年に生まれるキャッシュは、インフラ発注や株価上昇などを通じ、2014年や15年の段階で、多くの個人に分配されるでしょう。

そんなオジサン達に「被災地の子供のために」などとテレビで叫ばれると、反感を覚えてしまうのです。

オリンピックの経済効果で借金を減らすんだ!という人もいるでしょう。そうかも知れません。ただ、ここまで来ると、借金まみれの人が「こいつは儲かるんだ!絶対に儲かるんだ。だから金を貸してくれ」と言っている様にしか聞こえません。

今の世代の痛みをごまかすために、将来世代の痛みをもって変える。それが東京オリンピックの裏に見えてしまうのです。

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