日本のITサービスが世界で戦うための戦略 その1:英語軸①

ずっと悲観的な投稿ばかりしてきましたが、私が考える世界でたたかうための処方箋を共有します。実際に実践して成果をあげている内容ですので、むちゃくちゃズレてることは無いと思います。タイムマシン経営が成立しないIT系サービスへの処方箋です。なぜタイムマシンが通用しないのかは、『「大谷翔平くん」が日本のITサービスを殺す』を読んでください。

一番大事にしていることは「英語で日本人を攻める」という点です。


日本語のサイトは世界的にみると無いに等しい

インターネットが普及した現在では、世界で最新情報を拾えます。ITサービス、特にB2B系サービスは、世界から試そうとする人が出てきます。しかし、そのためには「そのサービスが理解できること」が前提です。

いままで、ラオス語、スペイン語、フランス語、ドイツ語で書かれたウェブサイトを読んだことありますか?あるいは、ベトナム語やスペイン語でGoogle検索したことありますか?

ほとんどの日本人は「ない」と答えます。フォントを入れてないので、検索ワードの入力すら出来ないです。

ただし、英語だけは例外です。英語なら検索したことやサイトを読んだこともあると思います。Appleの英語サイトやAmazon USなどを見たことがある人は、確実にベトナム語より多いはずです。英語から他言語への翻訳精度が比較的高いことも一因です。

つまり、日本語でどんなに情報をみがいても、日本人以外にとっては「無いに等しい」状況なのです。日本人以外にとっては試す前の問題で、存在してないのです。

ほとんどの日本サービスのサイトは、日本語がバッチリ用意されていて、英語版はあれば良い方です。例えば、ご存じの方も多い「宅ふぁいる便」。サービス内容は「メールで送れない重いファイルをおくりたい」という普遍的なニーズにささっているのですが、残念ながら世界には知られていません。なぜなら、日本語しかないから。どんなにアンテナの高い外国人でも、存在に気づかないものは試せません。

英語のない「宅ふぁいる便」サイト

日本発世界へでは間に合わない

ITサービスは、インターネットがあって文字が読めれば、どんどん類似のサービスが出てきます。タイムマシンが通用しない世界で、日本で成功→世界への道のりでは間に合わないのです。

中国語やスペイン語のように、人口の多い言語であれば、中国語サイトやスペイン語サイトで十分世界に発信されます。しかし、日本語にそれは期待できません。


学術論文はすでに全て英語があたりまえ

つまり、日本のITサービスは最初から英語のサイトを基軸に作るべきなのです。英語のサイトをマスターとして、そのローカル版として日本語サイトを位置づける、この順番です。サイト更新なども、先に英語から手をつけます。

ここで問題になるのが、「日本人のニーズなら明確だけど、英語だとターゲットが不明瞭になって、ぼやけたサイトになってしまう」という点です。

この点については、次の投稿でもう少し詳しくお話します。

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