MBA授業:世界を動かす国アメリカ


ニューヨークでインターネット関連の授業を取っていて、今日はアップルとグーグルの携帯戦略について議論しました。今はその優位はかすんでしまいましたが、依然携帯については日本・韓国は世界のトップランナーだと思います。ただ、世界の認識は違います。日本で何が起ころうが、韓国で何が生まれようが、米国で流行らない限りそれは「主流」では無いのです。従って、日本や韓国が既に生み出していたアプリケーションストアの概念や携帯ソーシャルネットワーキングについても、全てアップルが「生みの親」扱いとなっています。確かにiPhoneの素晴らしさは群を抜いてますが、そのビジネスモデル全てが0から生まれた画期的なものとは思いません。でも、世界ではそうみなされます。そして日本についてはいつまでも「精密機械を作る国」です。

日本にも素晴らしいものがあるのですが、それを紹介してもなかなか伝わりません。おさいふケータイが変えつつある世界も、彼らからすれば「ケータイにクレジットカードがついただけでしょ。だったら、別々に持ってる世界と何も変わらないじゃん」っていう思考です。日本もおさいふケータイが出る前は、同じ議論がありました。人に目に見えないものを想像させて、それが現状より優れていると認めさせることは至難の業です。実物を経験させるのが一番ですが、彼らからすれば日本ははるかかなたの土地です。一方アップルが「おさいふケータイ」を始めたら、おさいふケータイの実物を目の前に「これで世界は変わる」とざわめき、あふれかえるアップル本の中で日本はちょこっと紹介される程度に終わるのでしょう。

残念ながら、世界の世論を動かすのはまだまだ米国のようです。日本は世論を気にせず独自に進化を続けて技術供与にとどまるか、世論を受け入れて独自進化をやめるか、世論を動かすだけの市場規模を獲得するか(米国or中国への本格進出)のどれかでしょう。後者のリスクは巨大ですが、僕には前2者は寂しすぎます。

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