iPhoneが変える世界

iPhoneを使い始めて数か月ですが、1つ大きな変化を感じました。それはアプリケーションによるウェブの細分化です。

ちまたでは「iPhoneショック」と様々なことが語られてます。携帯電話の世界におけるパワーバランスの変化(キャリア→OS or 端末メーカー)、豊富なアプリケーション提供による顧客の固定化などがその代表例かと言えます。正直、上記の内容は僕にはさほど目新しいものではありませんでした。iモードに慣れ親しんだ日本人にとって、アプリの重要性はアップル以前にも認識されていましたし、パソコンでの競争環境を見ていればOSの重要性は明らかでした。ただ、携帯アプリが引き起こすウェブの細分化は、僕には今のところ新しい発見です。

僕はニュースやサッカーの試合結果などは、携帯ブラウザを通じてウェブから入手していました。時にはブックマークを通じてチェックしますし、時にはgoogleに「バルサ、試合結果」と打ち込んでチェックしました。Facebookもブラウザのブックマークを通じてアクセスし、Twitterも同様でした。しかし、今は「産経新聞」のアプリを起動しニュースをチェックし、サッカーの結果は「Football 10」アプリでチェックします。FacebookもTwitterも同様です。

「自分の関心や興味の範囲に応じて、アプリの種類を選び、デスクトップに保存する」がフツーの事として携帯で行われ始めてます。こうなると、わざわざウェブブラウザを起動してgoogleに「ホテル バルセロナ」と打ち込まずに、Booking.comのアプリで「バルセロナ」と検索したり、ブックマークを通さずにアマゾンのアプリから直接本を検索することに慣れてきます。

これまでの潮流では、何でも屋のブラウザ君が専門家のアプリ君を圧倒してきましたが、App Storeによってアプリ君の攻勢が始まっています。ブラウザ検索によって広告収入を得てきたgoogleが躍起になるのもうなずけます。

PCと比べ画面サイズの小さい携帯では、いわゆる一般サイトのウェブブラウジングが依然不便であることは否めません。また、携帯サイトに至ってはページランクの限界からか検索エンジンの精度がいまいちです。携帯ブラウジングにはiPhone以前からこうした不満は存在しました。そこに『カッコいい&使いやすい→爆発的なヒット→沢山のユーザー目当てにコンテンツが集まる→より便利になって更に人が買う→さらに豊富なコンテンツ→∞』という上昇気流(ネットワークエフェクト)を作りだしたiPhoneが飛び込んできたわけです。

じゃぁ何が変わるんだ?という疑問が次にきます。神のみぞ知ると言いたいところですが、僕は、「アプリを検索し、購入し、ダウンロードして遊ぶ」というプロセスを支配する人が試合を支配すると考えています。Appleなのかgoogleなのか、はたまた携帯会社なのかFacebookなのか、誰が支配するのかは分かりません。ただ、

「ワクワクするアプリを陳列し、アプリ選びに悩んでいるお客様には的確なアドバイスを提供し、サッと支払いを終わらせ、アフターケアを怠らない」

といった、お客様に本当の付加価値を提供する会社が、最後は勝利するのでしょう。現在はアップルが一歩抜け出してますが、「いかにワクワクするアプリを豊富に揃えるか」「アプリの検索」という点が、クローズで地を行く&検索技術の無いAppleの課題ではないかと思います。


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