MBA授業:グラウディオラとモウリーニョに見る共通点

MBAにはリーダーシップと名のつく授業が沢山あります。色々と学ぶものは多いのですが、目の前にそれを実践している人が居ないと何とも実感が湧きません。リーダーシップを教える教授はどうかというと、むしろ頭の固そうな人(他人から学ぼうとする姿勢は見せるが、実は学ぼうとしない人)が多い気がします。

しかし、居ました!それも、すぐそばに!バルサの監督であるグラウディオラと宿敵レアルのモウリーニョです。世界的スポーツの中の世界的トップチームを率いる監督であり、実績も抜群とくれば参考にならない訳がありません。あ、でも、すぐそばじゃないって??まぁ、僕的にはすぐそばということで。。。

強いチームを作るには優れた統率が必要です。どんなに優れた選手がいても、ある意思に向かってまとまらなければ意味がありません。どんなに良い戦略を思いついても、選手がそれを信じてくれない限り意味がありません。

どんな監督に対しても選手は従おうという姿勢を見せるでしょうが、本心から従おうとするかは別物です。つまり、自分の言うことを選手に信じさせること、つまり「信頼」が極めて重要であるということです。 あ、そんなこと分かってますよって思いましたね。その通りです。現実社会での問題は「信頼をどう築くのか」という点なのです。

先日の授業でハッとさせられた言葉があります。「信頼を得るためにはリスクを取る必要がある」という事です。この言葉を聞いて、僕はグラウディオラ監督とモウリーニョ監督を思いついたのです。二人に共通するのは、選手を信頼しきるという事です。「そんな当たり前なこと」と思いますが、これを徹頭徹尾実践している人は、そうは居ない気がします。なぜなら、選手を信頼するということは、その選手の結果次第で自分の立場が決まるからです。どんな事があっても1回信頼したら、信頼し通すということは大変勇気のあることだと思います。1回信じたら、結果が伴わなくとも何試合でも使い続け、メディアからも守り続けるということは大変難しいことです。しかし、こうすることで、初めて選手は「監督は自分たちに賭けてくれている」と信じることが出来るのだと思います。

今度は、「じゃぁ、やみくもに信じればいいのか?」という疑問が湧きますが、両監督を見ているとそうでもなさそうです。常に世界中の選手を見続け、プレーの質だけではなく練習態度などの性格面も就任前から熟知しているように見えます。そして、就任決定時には誰が不必要かが明確になっている感があります。自己責任において選抜を行った上で、残った選手を信頼しきる、というのが両監督の特徴と言えます。

もちろん競争原理を持ち込むことは重要で、両監督であっても新しい選手に変えることもあります。 しかし、どこかの監督の様に「ワールドカップぎりぎりまで新しい選手を試し続け、一時はエースと信じた10番や守護神と信じたゴールキーパーを最後に切り捨てる」という様なことは絶対にしません。その「どこかの監督」の様に時には競争原理も奏功しますが、それは監督のおかげでは無く、選手のおかげな気がします。そして、選手自身も「俺や同僚のおかげ」と思っている気がします。

僕なりにグラウディオラ監督とモウリーニョ監督に見る特徴を並べてみました。

1. 不必要な選手を除き、必要な選手が集まる様な準備(フロントとの調整など)をする

2.1回選手を選んだら信じきる

3.選手が監督を信じるまで信じ続ける

4.信頼関係が生まれた段階で一流の戦略指導やトレーニングを行う

5.結果が伴わなければ選手を非難せず、ただ辞任する

どれも簡単そうで難しいですが、実践している人間がいる以上、僕にもできるはずです。きっと。たぶん。 


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