MBA授業:ケーススタディのための英語

昨日、ケーススタディのおおよそを書きましたが(「MBA授業:ケーススタディとは」
)、少々書き漏れた事があるので付け足します。

勉強の大変さを書けば書くほど「ついて行けるだろうか?」という不安が膨らむ方もいるかと思います。英語に不安があればなおさらです。大丈夫!と言いたいところですが、幾つか気にしておいた方が良い点があります。

ケーススタディでは、評価が発言の量と質によって決まることや、チームディスカッションが漏れなくついてくることは前回のブログで触れました。従って、レポートや試験で評価が決まるカリキュラムと異なり、しゃべることの重要性が格段に増します。極論を言えば、しゃべらなければ居ないも同然として扱われます。

同時に、ケーススタディは生徒の発言によって授業が進みます。なので「俺はあいつの意見に反対だよ。だってコレコレこうじゃん」って心で思っていても発言しなければ、その疑問に答えてくれる人は誰もいません。講義形式であれば、質問という形で聞いたり、教授が良くある疑問を先取りして説明してくれます。しかしケースの場合、純粋な質問のために活発な議論を止めることは気が引けますし、そもそも質問=自分のスタンスとして捉えられることが通常です。

例えば、マーケティングのあるケースにおいて、ある生徒が「広告宣伝は雑誌を使う」と主張しているとします。 しかし、僕の中では、インターネットだって使えるんじゃないのかな?という疑問があるとします。この質問が、授業の中でどう捉えられるかというと、

(1)講義形式の場合
僕:「インターネットも有効だと思うのですが、この場合は適していますか?」

教授:「そうですね。ただ、インターネットを使う場合は、この点を気をつける必要があります。・・・(説明)・・・」

(2)ケースの場合
僕:「インターネットも有効だと思うのですが、この場合は適していますか?」

教授:「なぜインターネットも有効だと思う?」

僕:「ターゲットが若者だからです」

他の生徒:「いや、たとえターゲットが若者でも、この商品はインターネット広告に向かない。しかも現在の財務状況では、ウェブ用のスタッフを雇えない。」

教授:(僕に向かって)「Reaction?」

説明のために少々極端な例を用いましたが、大きくは事実と変わらないと思います。つまり、ケースの場合しゃべらないと成績もつかないですし、学びも量も減ってしまうリスクが高いのです。

また、授業が生徒間の議論によって進むため、議論に参加するにはリスニング能力も大きく問われます。講義形式でもリスニング力が必要なのはもちろんですが、ケースでは生徒の英語を聞き取る必要があります。僕も講義形式なら英語は聞き取れますが、ケースとなると苦しみます。1つは「え?なんで今?」的発言、1つは多様な英語が原因と言えます。

1つ目の理由は、「授業がこの流れであれば、次の発言はこうかな?」という僕の予想を超えた発言が多々ある、ということです。時には「空気が読めていない発言」とも思えますが、クラスメートからすれば主張したいときに主張するという当たり前な行動のようです。しかし、文脈を超えて発言されると、英語力の弱い僕には混乱が生じます。きっと僕の英語リスニングは、文脈からの想像(3割くらい)+実際の聞き取り内容(5割)+聞き取れず(2割)といった構成なのでしょう。このため、文脈から飛び出されると、5割しか聞き取れないことになります。

2つ目は、クラスでは日本人英語、中国人英語、インド人英語など様々な英語が飛び交います。 特にインド人英語に僕は苦しみましたし、今も苦しんでいます。一方、他の学生は僕の英語に苦しんでいると思います。

従って、英語があまり得意で無いという方には正直厳しい勉強法と思います。もちろん2年も勉強すれば英語には慣れるでしょうが、慣れるまでの間を無駄にする形になります。目安としてはTOEFL105点くらい、少なくともスピーキングは30点中20点以上は欲しいところじゃないでしょうか。英語だけが実力じゃありませんが、入学前にスピーキングとリスニング能力を上げておくことを強くお勧めします。


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