コンピュータ監視法案

なんだか物騒なタイトルに魅かれてYahoo!ニュースを読んでしまいました。

菅政権ネット規制強化 国民をもっと信用すべきと専門家指摘」
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110411-00000017-pseven-pol

GoogleがGmailの内容に合わせて広告を出すようにした際にもありましたが、個人情報を利用するサービスや法令イコール悪という論調です。

法務省のホームページを見て見たところ、 刑事訴訟法197条に以下の条文が追加されるとのことです。

③ 検察官、検察事務官又は司法警察員は、差押え又は記録命令付差押えをするため必要があるときは、電 気通信を行うための設備を他人の通信の用に供する事業を営む者又は自己の業務のために不特定若しくは多数の者の通信を媒介することのできる電気通信を行う ための設備を設置している者に対し、その業務上記録している電気通信の送信元、送信先、通信日時その他の通信履歴の電磁的記録のうち必要なものを特定し、三十日を超えない期間を定めて、これを消去しないよう、書面で求めることができる。この場合において、当該電磁的記録について差押え又は記録命令付差押えをする必要がないと認めるに至つたときは、当該求めを取り消さなければならない。  前項の規定により消去しないよう求める期間については、特に必要があるときは、三十日を超えない範囲内で延長することができる。ただし、消去しないよう求める期間は、通じて六十日を超えることができない。
⑤ 第二項又は第三項
の規定による求めを行う場合において、必要があるときは、みだりにこれらに関する事項を漏らさないよう求めることができる。
 そもそも法律の存在意義からして多様な意見があるかと思いますが、上記条文をもって
「この法案はやろうと思えば誰のネット通信記録でも安易に取得されてしまう危険性がある」
と言い切るのは少々乱暴な気がします。確かに任意提出を通じての情報コントロールの危険性はあるかもしれませんが、「安易」とは言い過ぎです。

そもそも法律は性悪説に則ってる部分があり、法律の有効性を語る際には「この法律がある場合と、ない場合の差」を見なければならないのだと思います。近年、全ての情報が電子化されつつあります。契約や金銭すらも電子情報でやりとりされます。物理的な存在がある証拠品と異なり、電子情報は削除や移動が極めて容易であり、証拠隠滅の危険性は可視的な証拠品よりも高いと思われます。そんな中、こうした法改正で時代に合わせようとする努力は評価すべきだと僕は思います

今やるべきことは、プライバシー侵害だと騒ぎたてて前に進むのを恐れるのではなく、この法令が正しく運用されているかどうかを裁判所及び法務省が確認し、適宜改正していくことだと思います。

それにしても大量の法令が新設、改正、削除されるのですね。これら全て政治家に目を通せって言う方が無理な話の様な気がします。

(参考)情報処理の高度化等に対処するための刑法等の一部を改正する法律案
http://www.moj.go.jp/keiji1/keiji12_00025.html


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