最近、よく死を意識します

5日前、駅の階段の踊り場で血を大量に流しながら倒れている男性を見ました。踊り場のほぼ中央に、まっすぐ上を向いた状態で倒れています。東京消防庁と背中に書かれた水色のジャンパーを着た男性6名が、大きな声で話しかけます。しかし顔面を血にそめた男性は、つめたいタイルの上にのせた頭をゆっくり左右に振るだけ。左腕の横には大量の血だまりと、それを拭きかけてあきらめたのか、その3分の1ほどが赤く染まったタオル。

部下と飲みながら自分の偉さをひけらかし、その代わりとばかりに大目にお金を払った帰りかもしれません。ようやく明日のプレゼン資料を完成させ、晩酌の肴を考えながら階段を上っていたのかも知れません。とにかく、あのオジサンは、あの踊り場に着くまでの間死ぬなど考えては無かったと思います。階段を踏み外したのか理由は知りませんが、その瞬間まで自分からペットボトル1本ほどの血が流れ出ることなど意識しなかったでしょう。

さっき、NHKのニュースで女性初のオートレーサーが事故で無くなったと聞きました。練習中に転倒してフェンスに激突したとか。「このカーブでもう少しアクセルをふかせれば」「今日のレースはここが悪かった」。 その瞬間まで、きっとそんなことを考えていたのではないかと思うのです。でも、突然の死。

ある本にありました。亡くなった方に最後の一言を聞いたら何と答えるか。「満足な人生でした」「家族にありがとうと言いたい」とかじゃない。きっと「死ぬとは思わなかった」だと。「こんなに早く死ぬと分かっていたら、もっとやりたいことやってたのに」と。

自分が明日死ぬとしたら、本当に悔いはないか?あります。死の前日に、今やっている仕事を選ぶか?間違えなく選びません。なのに日々「またキレられる。いやだな」と、憂鬱な気持ちと胃痛を抱えて職場に向かいます。もう少し、真面目に考えなきゃいけないと、色々な出来事がささやきます。

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