生活保護不正受給について

不正受給がハンパなく騒がれていますが、自分は次の点において強く怒りを覚えます。

国会議員による特定個人の追い込みです。

問題は片山議員による追求。今回、不正受給を議論の俎上にあげた事は素晴らしいことでしょう。しかし、なぜ河本さんの個人名を出さねばならなかったのでしょうか。自分の意思を通す為なら、個人を社会から抹殺してもいいのでしょうか。国会議員という公共の立場において、個人名を明示してその不正を追及したら、誰がその追求に勝てるのでしょうか。もし野田総理に「〇〇さんは、国民年金の未納があります。なので未納をもっと取り締まるべきです」と貴方が名指しされたらどう思いますか。友人、会社、親戚、全てが批判の対象になり、その生活は一変するでしょう。

今回は河本さん個人が悪いのでしょうか?個人の倫理観は国家成立の礎です。しかし、国会にて議論されるべきは倫理の善悪ではなく、倫理を維持するための法制度でしょう。今回の問題は、ルールが制度上働いていないことです。法的拘束力のない質問状において、「扶養できません」と申告すれば補助が受けられるという制度です。

なんだか病院に行かなければ不安だから病院に行く。そして薬局で買うよりも安い値段で薬をもらう。会社の会長であろうが、体に不自由のある方であろうが、一律の保険金補助が出る社会。ここで、誰が会社の会長を不正だと言うでしょうか。そうした制度の疲弊を正すべく、たちあがってくれる議員は素晴らしいと思います。しかし、その制度を正すべく、その制度の上において行動する人を個人名において叩きのめすことは、許されるべきではないと思います。

国のため、弱者のためという正義を振りかざし、議員と比べれば圧倒的な弱者である個人を叩きのめした片山議員に対し、強い怒りを感じます。


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