iPhone5に見るケータイの進化

4Sとあまり変わらないという意見から、超素晴らしい!という意見まで、結構意見がわれているiPhone5。僕は、残念2割に、「やっぱAppleすげぇなぁ」が8割です。

2割の残念は、外観が変わっていないことに起因します。iPhone4で既に完成形に思われたデザインでも、Appleならもっと美しいものに変えてしまうのでは?という期待があったからです。液晶の周りにある枠が無くなるとか、丸みを帯びるとか・・・

一方、残り8割はアップルが携帯電話の進化を完全にPCの土俵に持って行ったことへの感動です。これまで、携帯電話といえばNOKIAやSONYなどがモバイルキャリアと連携して進化させて来ました。様々な付加機能はモバイルキャリアとの連携から生まれ、モデルチェンジとともに外観やユーザーインタフェース、OSなど、いっさいがっさいが変化し続けてきました。

一方パソコンの世界では、OSの標準化が終わりクラウドサービスが受け入れられ始めると、ハードウェアの外観やUIは、どれも変わり映えしなくなり始めました。アップルのMacbook Air, Macbook Pro, iMacですら近年外観やUIの変化は微小です。しかし、OSバージョンアップや通信回線の高速化に伴い、端末の処理速度とストレージは劇的に進化しました。現PCユーザーにとって、価格とスペックのバランスが最大関心事となっています。

これまでの携帯の世界を振り返ると
  1. 常に端末処理速度よりも回線速度がボトルネックになり続けてきたこと
  2. 通信事業者が契約純増数を求めるため、端末メーカーレベルでの差別化ではなく事業者レベルでの差別化(おサイフケータイ、NOTTVなど)を求め続けたこと
  3. 端末補助金により価格差が見えにくくなっていたこと
から、端末処理速度での評価はあまり注目されませんでした。

しかし今回のiPhone5、外観に大きな変化は無くとも、処理速度がダントツに上がっています。上記の携帯分野の遺産に対し、コンピューティング思想をぶつけてきたとも捉えられます。Macbook Air 2011とMacbook Air2012の差が大きいように、4Sと5では処理速度に大きな差があります。もちろん、ここにはバッテリーの進化など黒子の活躍も大きいのですが、これからの携帯端末は価格と処理速度での勝負であることを示唆している様に思えます。

これまでモバイルの世界で君臨し続けてきたキャリアや携帯メーカーに対し、インターネット世界の覇者達が市場を席巻し始めたのが2008年頃。

携帯電話OS(NOKIA、RIM)  vs. モバイルコンピューティングOS(google、Apple)
通信チップ(クロルコム) vs. CPU(インテル)
携帯電話製造(NOKIA、SHARP)vs. パソコン製造(中華系企業)

全ての分野において、レガシー系企業は苦しみ始めています。それでも、TVやNFCなどで差別化を図り続けています。しかし、OSとCPUというコンピューティングの世界では本丸を抑えられている以上、一時的な復興はあるにしろ、衰退傾向を避ける事はできないと思われます。

見よ!この処理速度を!!!!




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