ものごとの本質を見ぬく力

僕は本質という言葉が嫌いです。上から目線で、「おまえは本質が見えてない」と上司に言われると、イラっときます。本質ってなんですか?と。

多くの場合、本質はその人の偏見であったり、ものごとの因数分解であったりします。

なぜ株価が動くのか、という問いに対し金利変動や景気変動などを本質として語る人がいると、あまのじゃくなのか、僕は「じゃぁなぜ金利変動が起こるのか」「金利変動が株価を動かしたのか、株価が金利変動を起こしたのか」といった反論をします。

結果、本質なんてものは時に自分の思考不足を補う為の良い訳に過ぎないと思うのです。

でも、斉藤由多加さんの本を読んで、「あー、本当の本質ってこういうものなのか」と思うに至りました。

斉藤さんは、「なぜ株価が動くのか」という事象に対する因果関係ではなく、「なぜ、人は「なぜ株価が動くのか」ということに思いをはせるのか」といった人間思考や行動にたいする背景を探ります。

斉藤さんは、ある行動や人間思考が発生する具体的な場を例に、その背景にある普遍的な人間の所作を見つけ出されます。それも、私が毎日見慣れた風景の中からです。

たった1センチ強の厚さしかないですが、どんなに高尚な経営理論よりも、ものの見方を教えてくれる、そんな素晴らしい本だと思います。本当に本当におすすめです。

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