(書13−12)『日本から水がなくなる日』 俊成正樹
最近、水ビジネスに関心があり水関連の本を読み始めました。そこで、椎名誠氏の『水惑星の旅』の次に読んだ本がこちら。
いわゆるイマイチな本でした。世界の水状況については、他の本でも多く語られている事実が少々触れられており、はじめて水環境を学ぶ人には勉強になります。ただ、他の本と比べると、網羅性が薄いというか深さが無いというか。
筆者が元官僚という出身であり、おそらく日本を愛する気持ちが強い方なのでしょう。水ビジネスにおける日本の強みが随所に書かれています。しかし、競合他社の情報や市場シェアといった数値データが無いため、「日本=技術大国=強いんだ!!」という思い込みにも聞こえてしまいます。また、一方でなぜそうした強みが世界で生きないのか、という分析もありません。水環境の一面を学ぶ本としては良いと思いますが、この一冊では偏った見かたになってしまう恐れがあります。
悪いことだけではなく、水利権と世界の紛争との関連を学べた点ではためになりました。
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