(書13−4)『勝負哲学』

【送料無料】勝負哲学 [ 岡田武史 ]
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ペップ・グアルディオラ、アレックス・ファーガソンときたら、、、そう岡ちゃん!今回は、我らが岡田監督と羽生善治さんの対談本です。

僕は将棋が大好きなのですが、その理由は羽生さんです。羽生さんが7冠を成し遂げたのを見て素直にカッコいいなぁって。一方、岡田監督はそれほど関心は無かったのですが(笑)

そんな二人の対談本です。岡田監督は少々肩肘はって対談に望んだのか、最初の方はちょっと自己顕示が多い気がします。でも、徐々に空気がなじんでくると、代表監督時代のストレスや日本人特有のコーチングスキルを素の状態で話し始めます。

コーチングについて
「昔はそうでしたね。うるさく説明していました。でも今は、やるべきことを簡潔に伝えるくらいで、細かい指示は出しません。まだ、やられてもいないことを心配して、やられないような対策をを細かく伝えると選手が受け身になっちゃうんです」
日本人の自主性について
「つまり指導者から『ここにいろ』という確たる指示か、そうでなければ『ミスしてもいいから思い切って行け』という保証を欲しがっているんです。慎重策にしろ、積極策にしろ、失敗した時は指導者の指示によるものだという責任回避のための保証です」
選手との関係について
「ほんとうは私もみんなに好かれたいし、いい人間と思われたいんです。でも、そうしたら決断が鈍ってしまう。その傾向を自分に感じるから、私は必要以上に選手と親しくなることを自分にいましめたのです」

一方、羽生さんは、自分なりに深く考えた説得力のある発言を数多くされています。この発言の多くは『大局観』等の他の書籍でも述べられており、一貫した羽生さんの考えでもあります。
「欠点を直すことにもあまり一生懸命にならないようにしています。欠点は長所の裏返しであることが多くて、欠点を是正してしまうと長所まで消えてしまうことがあるからです」
「リスクテイクをためらったり、怖がったりしていると、ちょっとずつですが確実に弱くなっていってしまいます。(中略)だから私は、経験値の範囲からはみ出すよう、あえて意図的に強めにアクセルを踏むことを心がけているつもりです」
「結果的にうまくいったか、いかなかったかではなく、そのリスクをとったことに自分自身が納得しているか、していないかをものさしにするようにしています」  
羽生さんの考えは他の本でも触れられますが、岡田監督の素の部分はこの本だけでしか味わえないかもしれません。ストレスに囲まれた職業人生において、とても勉強になる一冊です。 

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