(書13−23)『里山資本主義』 藻谷浩介



タイトルのつけ方はどうかと思いますが、過疎化が進む田舎における生活の美しさや生活の意義を学びました。ただ自然に囲まれる生活という点でも魅力的ですが、コミュニティにおける自分の存在意義を強く感じられる生活という点で、つよく引き込まれました。

同時に、田舎に根付いて新しい価値を生もうとしている会社やリーダーの存在を知ることができ、知的にも面白い本です。

売上一位、ノルマ達成、イノベーション、MBA、テレビ出演・・・こんな響きに快感を感じつつも、僕はどこかでむなしさを感じてしまいます。でも、そんなむなしさを認めてしまうと自己否定になるため、なんとない論理で納得させています。ただ、そんな肩書きや自慢よりも、人とつながる大事さを年々強く感じるようになっています。そんな僕だからかもしれませんが、この本は人生におけるもう1つのチョイスを示してくれました。

ただ、惜しむらくは著者である藻谷氏の最終総括部分。他の部分はNHKの広島取材班の方が執筆されており、純粋に「里山の素晴らしさ」を感じられる内容です。それを最後の最後で藻谷氏が、強烈な自己主張あふれる論調を繰り広げるため、エゴ臭で読み終わりが台無しになります。

藻谷氏の論理がどうのこうのではなく、社会への怒りに興奮しているのか、とにかくあまりに読みにくい文章。かつ、俺の主張はどうだ!!他の学者どもは馬鹿だ!!というエグさが強烈。論理とか市場から離れて、純粋に生活を楽しもうとする人々の営みを知った後に、マネー資本主義や現在政治や学者通年に対する憎しみにも似た論理攻撃、やめて欲しかった。

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