(書13−31〜41)『新書太閤記1〜11』 吉川英治

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吉川英治の『三国志』に次いで大好きな『新書太閤記』。これで何回目の読破となるかわかりません。でも、読むたびに味わいが変わるから、いい本との出会いって最高だなと思います。

高校生の頃に読んだ時は、純粋に秀吉の成り上がりが楽しくてワクワクしながら読んでました。でも今回は、信長や秀吉の人生観にちょっと凹みながらも憧れて読みました。

「死中に活を求める」

無謀なのかもしれないが、誰もが逡巡する一瞬に体ごと飛び込んでいく姿勢に、多くの人は心を打たれるのではないかと思うのです。

人生50年。いつ死ぬかわからない人生逡巡してどうする。どうせ死ぬなら、大きな花を咲かせて死んでやる。いつ死ぬかわからないからこそ、日々を最後の最後まで生ききってやる。そんな気持ちが、前人未踏の世界を作り上げたのだと思うのです。

そう思うと、いま自分が思い悩むことなど小さなこと、命を失うことなどないのだから。と想い、ちょっと凹むのです。

最後に、心にのこった部分を自分のために書き写します。
「おことらのように、醍醐とは、こう書いたやら、ああ書いたやら・・・などと首をひねったり、筆の穂をなめたりして、この多忙な一日を暮らしていては、何と、今日のように、日月も世情も、車輪のごとく早く移り変わりてゆく時勢にあって人寿一代の限りある身をち、いったいどれほどな業ができると思いおるぞ。秀吉には到底、そんな暇はない。醍醐と書くべきところを、大五としても、がいがい、書面をうける方の者には、読み心があるゆえ、用向きの見当はつくであろう。・・・それでいいのだ、今の世はな」
「彼がひとりひそかに珍重している座右銘は、(略)離という一文字であった。(略)何でもないようだが、彼の眠り上手のこつも離れ心であった。 焦燥、妄想、執着、疑惑、早急、あらゆる事々のきずなをも、一瞬、両のまぶたで断ち切って、一切白紙の心になって寝てしまう。また瞬時にして、ぱっと醒める。 これが思うままにできるようになると、醒めるも快、眠るも快、百事、この世は快ならざるものはなくなってくる。」 

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