(書14−4)『阪急電車』 有川浩



スーパーほっこりしますね。

自己啓発書やビジネス書や近代小説ばかり読んでると、どんどん自分の精神年齢が老いてく感じがしませんか?難しい知識や難しい表現や難しい精神葛藤などを本で知って、フムフムみたいな。

でも結局、男女の恋愛とか、恋愛のすれ違いとか、日常の人間関係とかそんなシンプルな部分にこそ心がフルルと動くんだと思います。初めて彼女を部屋によぶ時の「どういう口実で部屋に呼ぼう」「どういう口実なら部屋について行こう」「終電なくなりそうだけど、敢えて気づかないふりしよう」みたいな、誰でも分かるシンプルな心の動き。三島由紀夫や川端康成の世界には描かれない、幼稚だけど根源的な感情です。

さらに、舞台が阪急電車ってのもイイ。適度にゆっくりで、適度に地元電車で、適度に無名なところが、ほっこりさせます。新幹線では無く、観光色が混じってしまう江ノ電でも無く、停車駅にリアルな想像をかき立てる東横線でもない電車。

「あー、なんかそーいうの良いなぁ」ってのが凝縮した一冊です。平日、早退した日に各駅停車で座りながら読みたい本です。

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