MBA授業:毎日2時間以上努力できないなら無駄な努力?


今日は、MBAファシリテイター(ファシリテイターについては、前のブログを参照ください「MBA授業:チームファシリテイター」)向けに、ランチ時間を使って特別授業がありました。

そこで教授が話したネタの一つが「1万時間の法則」です。一人前と呼ばれたければ少なくともその分野で1万時間を費やす必要があるという法則です。1万時間という絶対的な時間が重要ではなく、 定期的にコツコツと時間を積み上げていくことが重要なのです。

と抽象的な議論で終わらさず、1万時間とはざっくりどれ位かを計算してみました。

むむぅ1日5分や30分じゃちょっと足りなそうです。

さらに、池谷 裕二さんの『進化しすぎた脳』によれば、能力の発達はリニア(一次関数)ではなく指数的に上昇するとのことです。この考えを、1万時間の法則に当てはめてみると、以下の様な図が描けます。

図1
図1の横軸は10年間で目標に費やした累計時間。その累計時間の1万時間に対する比率が横軸の下にパーセントで表示されています。縦軸は能力値で、1万時間注ぎ込んだ場合を「一人前(PROFESSIONAL)」とみなしています。

『10年かけて、一人前と呼ばれる存在となろう』と思い立った場合、毎日5分間をその目標に注ぎ込んだだけでは10年かけても304時間。少なくとも一人前と呼ばれるのに必要な1万時間に対して約3%程度に過ぎません。1日1時間を費やしても10年で3,650時間(37%)。能力が指数的に発達すると仮定した場合、5分も1時間も10年では大した差を生みません(縦軸A5minとA1hの差は微々たるものです)。一方、1日2時間費やすと差は歴然としてきます(縦軸A2h)。

1万時間の法則と指数発達の法則が正しい場合、小学校の先生が「毎日5分でもいいから続けなさい」というのは少々論理的ではないようです。小学生なら「毎日30分」、中学生なら「毎日1時間」、サラリーマンなら「毎日2時間」程度が必要となりそうです。

また、「俺は毎日1時間も勉強しているのに何で伸びないんだろう」という発言も、この法則にのっとればオコガマシイ!!の一言で一刀両断されそうです。

一人前になりたければ、情熱を駆り立てるだけの目標を持ち、それに向かって最低1日2時間×10年以上の年月を注ぎ込む覚悟が無ければいけないのです。言葉では分かっていたのですが、いざ数字にしてみると大きな発見でした。

なお、余談ですが 池谷 裕二さんの『進化しすぎた脳』は、脳の仕組みを分かりやすく説明している名著です。脳の仕組みを理解することは自己理解の重要なステップと言えますので、お暇な時に一読してみてください。


(ご参考)「1万時間の法則」は色々な所に取り上げられてます。

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