『文章の書き方』 辰濃和男
書く前の準備、書く際の心構え、校正時の考え方が、実際の作家の文章を例に解説されています。しかし、ビジネスシーンですぐ使える様な即効性・実用性は低く、文章への向かい方といった思考に焦点が当てられています。
よく、仕事でありきたりな常套句を使います。
「可及的速やかに検討を開始します」
「戦略的見地に立ったグランドデザインを・・・」
「対応に苦慮」
「真相を徹底追及」
などなど。しかし、どの言葉もそこに深い考察があるわけでは無く、「とりあえずビール」と似たような感情や思考をショートカットした言葉です。著者はこうした常套句が出て来た時は危険と警鐘を鳴らします。(あえて警鐘を鳴らすという常套句を使ってみました(笑))
作家が作品作りのなかでどこまで苦労を重ねているのかを垣間見れましたし、自分の言葉使いを見直す最高の機会を与えてくれました。最後に、当たり前だけれども深く納得した言葉をここに紹介します。
「新聞社の試験を受けたいという若い人に会うと、私はこう言います。『日記をつけなさい。踊りの修業をする人は、稽古を一日怠るだけで後戻りするといいます。書く訓練も同じです。なんでもいいからその日のことを書く、という訓練を己に課しなさい。楽しんで書けるようになればしめたものです』」
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