アメリカがインターネットを検閲してることなど常識?

スノーデン氏の告白で世界各国がばたついています。ドイツやフランスは早々と非難を表明、日本は相変わらず微妙な態度を示しています。

メディアも全般的にアメリカの「のぞき見」を、あたかも初めて知ったかのような騒ぎぶりです。

でも、「暗号解読(上・下)」を読んだあとでは、「そんなこと、みんな分かってたんじゃないの?」と思うのです。むしろ、「おたくの国もやってるでしょ?てか、必死に「のぞき」力を高めてるでしょ?」と。

第二次世界大戦で、おおいに影響力をふるったドイツの暗号作成装置エニグマ。連合国側は必死にエニグマの解読を進め、ドイツはエニグマの改善に努めました。血のにじむような努力の末、イギリスは解読に成功します。でも、イギリスは解読に成功したことがバレないように努めます。たとえ、エニグマ解読でドイツ軍の攻撃目標がわかったとしても、あからさまな防衛は行わず、「解読できてないフリ」を続けます。

そして、第二次世界大戦が終わったあとも「解読できていないフリ」を続け、エニグマに類似した暗号システムを他の国に輸出し、その暗号文書を「のぞき見」していたそうです。

暗号解読は国家防衛上の最大かつ最重要な戦略課題です。山本五十六が狙われたのも、ミッドウェー海戦で日本が敗戦したのも、事前に日本軍の暗号がアメリカに解読されていたからです。暗号解読力は戦争の勝敗を決するだけの力を持つのです。

第二次世界大戦後のイギリス同様、どの国も「私はあなたの暗号を解読してますよ」などとは絶対に言いません。言ったら最後、相手の国は暗号化方式を変えてしまい、解読不可能となるからです。

日本はアメリカと対決して約70年しかたっていません。同じく、フランスはドイツと対決してから約半世紀。どうして、相手の国に全幅の信頼を置くでしょうか?

相手の国の情報を盗み取る、それを盗まれない様に暗号化する。国家ならば、その防衛上必ず行っていることです。むしろ、行っていない国の方が怖いです。

だからこそ、そんな「当たり前」の事を知っていながら、「絶対に受け入れられない」と言い切るフランスの政治的才能を評価したいと思います。

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