イノベーションを情熱が生み、情熱を行動が生む


クレイトン・クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」や、ジェフェリー・ムーアの「キャズム」とは全く違う視点からのイノベーション論です。

その視点とは、スティーブ・ジョブズ。ジョブズならどうするか?ジョブズはどう考えたか?という視点です。

そんなん普遍性ないじゃない!って思いますか?読後感としては、むしろ「イノベーションのジレンマ」や「キャズム」よりも普遍的だと思いました。

とは言っても学術的なイノベーション論では無いので、技術的、組織論的なものはありません。そこにあるのは、情熱。情熱がイノベーションを生むという、精神的なものです。

情熱なんて非科学的な、と思われる方もいるかもしれませんが、でも、イノベーションは情熱が生むのだと僕も思います。そして、ジョブズ等のイノベーター達という実人物に基づく情熱論を聞けば、それが真実だという気持ちになると思います。
「情熱を傾けて正したいと思う問題やまちがい、あるいは何かアイデアがなければならない。それなしには、最後までやりとげる忍耐力が生まれないからだ。これが戦いの半分を占めていると僕は思う」(ジョブズ)
「すばらしい仕事をするためには、自分の仕事を大好きになるしか方法がありません。まだ見つけられない人は探し続けてください。妥協しないこと。心がからむものはそういうものですが、みつかれば必ずわかります」(ジョブズ)
「情熱があっても失敗はします。でも、情熱があれば、失敗で終わってしまうことがないのです」(ビル・ストリックランド)
「情熱を傾けられるのはこれしかないーそういうものを勇気を持ってみつけること。今まで身につけたものが活きない世界かもしれません。そうであっても、勇気を持ってそのことに取り組むこと。他人がどう言おうと、打ち込むのです」 (クリス・ガードナー)
「情熱がない人は元気がない。元気がない人は何も手にいれられない」(ドナルド・トランプ)
 そして、もうひとつ心に残った内容が、「何をするかではなく、何をしないか」という、本質にフォーカスする考え方。
「多すぎる機能が詰め込まれた製品は、自分たちは何をしたいのか、その会社のリーダーがよくわかっていないことを示している」(ロベルト・ヴェルガンティ)
僕の会社がまさにこれ。どんどん機能を追加し、どんどんサービスを立ち上げる。会議で「やらない!」という結論を聞いた事がない。延々と続く議論の後「とりあえず」。更には、「サービスのポートフォリオ」という言い訳のもと、さまざまな分野に手を出し、社員は長時間労働にかり出される。

結局の所、あれもこれもと見える誘惑を捨てさり、その捨て去ったという決断に責任をとることが怖い経営者が取る行動が「やらない決断をしない」経営なのです。

フォーカスを絞ることの恐怖は大きいと思います。でも、100%といっていいほどフォーカスの絞られていない会社は、長期的に苦しい立場に追い込まれます。そして、日産、アップル、JAL等は切り捨てて復活しました。

そうした意味で、グーグルやアマゾン、三菱ケミカルや楽天など、今は飛ぶ鳥を落とす勢いですが、僕はその成長に疑問を持っています。 

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