ほっこりするホラー小説


姑が、手鏡で嫁の頭をこれでもかと殴打して血まみれにして殺す。家族同然の使用人が、娘のフィアンセを鎌で切り刻む。事実だけを見れば、アメリカンホラー真っ青の凶器殺人小説なのですが、なぜか宮部みゆきの手にかかると、不思議なことに。猟奇的殺人といった四角四面の表現ではなく、殺人者固有の苦悩から生まれた致し方ない行動、その殺人者だからこそ行い得た行動と、殺人個性(そんな表現ありませんが)が生まれます。

ビジネスマンになると、なんか実用書や歴史書を読まないとなぁって思っちゃう僕なのですが、ストレスたまってる時に実用書はきついんです。沈みきってる時に、坂本龍馬とか引き合いに出されて「あなたの人生なんですか?そんなんでいいですか?」とか突きつけられちゃうと、ちょっと本が強すぎるんです。

そんな時に読ましてもらう本の中に、宮部みゆきさんはいます。

東野圭吾さん、重松清さん、伊坂幸太郎さんも良いんですが、宮部さんの凄いのは料理の表現が抜群に美味しそう。文字だけでにおいがモワモワーっと広がり、よだれが出てきます。帰りの電車に揺られながら読んでいると、あったかい晩ご飯が心に浮かび、それだけで何だか癒された気分になります。

実用書や歴史小説に偏った男性に、宮部さんはひとときの休息を与えてくれます。

あ、でも「おそろし」には料理表現はありませんので、あしからず。

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