日本でいちばん大切にしたい会社

会社はなんのためにあるのか?

勤め先が大きくなればなるほど、生活が苦しければ苦しいほど、問いかけることなく、釈然としないながらも真剣に考えることが無駄におもえてしまう疑問が、会社の存在意義ではないかと思います。

MBAを卒業すると、周りの方から「会社の意義=株主価値の最大化」という思考を持っていると見られます。しかし、一生をかけて会社という組織の意義を研究している教授が、そんな軽薄な議論をするわけがありません。

一方、会社は株主のもの、という軽薄な考えをもった中間管理職は多数います。そうした管理職は、まずは収益ありきで、それを実現する為に犠牲となる社員やその家族の不幸など二の次と考えます。顧客第一と声を張り上げつつ、「取れるだけ取ってやれ」という見積書の作成を要求します。コスト削減という名のもと、下請会社や委託先会社に無理難題を押し付け、「前回もできたんだから、今回はもう少し安くできるでしょ」と要求します。

大きな問題は、その中間管理職は、何の為にそんな非人道的とも言えることを行わねばならないのか、当の本人が分かっていないことです。全てを会社=利潤追求という誰が決めた訳でもない理念に立脚させ、その理念を疑わないことなのです。

「利益が無ければ雇用ができない。雇用ができなければ従業員が不幸になる」

という議論もありますが、この論旨は利益が最終ゴールなのか、従業員の幸福が最終ゴールなのかで、大きく変わります。

従業員が土日も強制的に働かされ、子育てや子づくりの時間もない生活の上に成り立つ利益は、利益を最終目的とした理念には合致しますが、従業員の幸福を最終目的とした理念には合致しません。

涙がこぼれそうになりつつ、そんな会社の一番大事な所を痛感させてくれる一冊です。就職活動中の大学生や、これから会社を興そうとする人、転職を悩んでいる方、そんな人には必ず読んでほしい一冊です。

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