(書13−43)『不格好経営 チームDeNAの挑戦』 南場智子
マッキンゼーで一流のコンサルタントであった南場智子さん。結果を見てからでは、誰もが「そりゃ、マッキンゼーのコンサルタントだったら成功するでしょ」と言うと思います。でも、本人曰くその逆。
「コンサルティングで身につけたスキルや癖は、事業リーダーとしては役に立たないどころか邪魔になることが多い。今でも苦しみながら「unlearning(学習消去」を続ける毎日だ。」
「自分が経営者だったらもっとうまくできるんじゃないだろうか。なんでもっと思い切った改革ができないのか。なぜ中途半端に実施するんだ。私だったら・・・。もしそんなふうに感じているコンサルタントがほかにもいたら優しく言ってあげたい。あなたアホです。ものすごい高い確率で失敗しますよ、と。」
だからこそ、この本に書かれているのは経営ノウハウとか、戦略論とか、そういった抽象的理論ではありません。日常に起こる現場の具体的なドタバタ劇なのです。そして、これが実際なのだと思います。自分も曲がりなりにも新規事業を立ち上げているため、ちょっとわかります。
だからこそ、MBA留学を目指す人も、留学する前に読んで欲しい。南場さんの言うことに自分も同感です。
「成長を加速させ一流のビジネスマンになるためにビジネススクールで学ぶことは役に立つかとよく訊かれる。自らの経験から率直に話すと、私はかなり懐疑的だ。(略)ビジネススクールに行くことで人脈ができるのでは、ともよく訊かれるが、そうも思わない。逃げずに壁に立ち向かう仕事ぶりを見せ合うなかで築いた人脈以外は、仕事では役に立たないと痛感している。(略)ビジネススクールに行って人脈をつくりたいなどと思っている人がいたら、今日明日のあなたの仕事ぶり、仕事に向かう姿勢こそが人脈を引き寄せるのだと言いたい。」
久々に怒涛のように読み切りました。悔しいけど、本当におもしろい一冊です。
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