(書13−5〜10)『深夜特急1〜6』

【送料無料】深夜特急(1) [ 沢木耕太郎 ]
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価格:452円(税込、送料込)

『深夜特急』を読むのはこれで3回目くらいですが、やっぱり最高の本だと思います。

この本を読んだ僕の兄は、3年勤めた会社を辞めて南米に単身3ヶ月の旅に出ました。そして僕は、大学4年の最後に中国に1ヶ月強の一人旅に出ました。一人旅という言葉は昔から知ってましたが、理由も無く自分には遠いところに置いていました。でも、この本を読んだらいてもたってもいられなくなり、一人旅が憧れに昇華したのです。

中国へのはじめての一人旅、沢木さんをまねて神戸から天津に向かうフェリー以外は無計画でした。三国志にゆかりのある成都と孔明の草廬がある古隆中だけは絶対に訪れたいと思っていましたが、そこに至るルートはノープランです。

神戸のフェリー乗り場でやっぱり怖くなって「帰ろうかな?」と思ったこと、フェリーで知り合った日本人の方の友人宅に泊めてもらったこと、北京からの夜行電車で車両全体の聴衆を相手に日本の歌謡曲を歌ったこと、そのお返しに中国の歌謡曲を歌ってもらったこと、その電車で知り合った中国人の女性に成都を案内してもらったこと、フェリーで同室になった中国人老夫婦に息子同然の面倒を見てもらったこと、上海のドミトリーで隣の70歳の爺さんが上海でたこ焼き屋を開こうとしていること、、、いろんなことを覚えてます。それだけ、一人旅というのは刺激が強かったのです。

沢木さんは香港から旅をスタートさせ、マカオ→香港→バンコク→マレーシア→シンガポール・・・とバスの旅を続けます。

旅行記としては、それなりの魅力に落ち着きますが、人間物語というか冒険記としては、最高の魅力がこの本にはあります。旅で出会う新しい外界と、沢木さんの内面が相互作用しながら、内面の変化によって外界の捉え方が変わっていく、そんな人間的な本なのです。

この本の魅力を言葉にできるだけの文章力を持っていません。ただ、兄と僕を実際に突き動かしたという事実、再読したことにより世界を巡りたいという強い欲望(仕事も家庭もあるのに、本当に強いんです)が今僕の中に渦巻いてるという事実、この事実が本の魅力(魔力)を表していると思います。

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